2023年度 調査実習(石川県輪島市)

【期間】2023年9月4日~9月12日(9日間)

【調査実習の場所】石川県輪島市

【テーマ】

テーマの例としては海女、輪島最中、輪島塗、楽器職人についてのものがある。

【調査地・テーマ決めについて】

人数が多かったが、最初に提示された調査地のテーマを探していく形でテーマが決定した。調査地を正式に決定する場の前に多くの人がある程度話し合って同意していたため、最終的にはすんなりと決まった。

それぞれのテーマについては、現地で調査していくうちに変更した者もいた。

【事前準備で苦労したこと】

本を読むことやアポ取りに苦労した。文献を数多く読み整理し、文化人類学的に意義があるか不透明な情報を検討することが大変だった。特に、参考文献の入手に現地の大学へ赴いたときや、社会人相手に失礼のないよう丁寧かつ迅速に連絡するときは苦労した。堅苦しい職人さんと連絡するときも不安が大きかった。

【調査実習中に印象に残ったこと】

公共交通機関の本数が少なく、先生に車で送ってもらうこともあった。また、調査の一環で山登りをしたが、靴によっては歩きにくいため、慣れた動きやすい靴で行くことが重要だと思う。

人によって調査日程や時間が異なり、休みのない共同生活でもあることから精神的にも大変だった。

【インタビューの感想、インフォーマントとの関係作りで工夫したこと】

不慣れなインタビューを連日行うことによる緊張があった。受け取る情報量が多く、それを記録したり関連づけたりする作業が大変だった。

インフォーマントとの関係作りでは、複数回対面することで距離が縮まったり、関心を持っている真摯な姿勢が評価されたりした。車で送って下さったり、ご飯を奢って下さったりする方もいた。仕事をしている人への聞き取りを行うタイミングを図るのが難しいため、アポイントメントをとっておくことが重要。

【調査者の人数が多いことに対するメリット・デメリット】

調査の人手が増え、一緒に調査に行けたことがよかった。インタビュー対象が同じ人と複数人でインタビューする際は協力し合えた。自分と違う視点の人がいると、考えが広がった。

デメリットとしては、調査中は共同生活であるため、常に誰かがいるということの疲れを感じることがあった。大人数ゆえ移動手段が制限されたり、洗濯や炊事に時間がかかったり、順番を考える手間がかかったりするという難点があった。しかし、人数が多いからこそ楽しいこともあった。

【能登半島地震への対応】

地震によって大変な時期に連絡をすべきかを迷いつつもインフォーマントにコンタクトをとり、お見舞いの言葉をメールで送った。また、報告書はほとんどできている状態だったが、人類学的に地震を受けてなぜこの報告書を出すのかということについてつけ加えた。

どうしていくべきかはまだ考え中で、報告書についてはいつ出せるかも決まっていないが出す方向ではある。

【後輩へのアドバイス】

・調査前

事前調査を念入りに行い、自分が何をするかや質問をちゃんと最初に考えておくとよい。

地元の図書館にしかない資料がたくさんあったため、現地の図書館には早めに行ってみるとよいかもしれない。

・調査中

相手のお話を自分が引き出す必要があり、引き出すためにどう聞くか?ということを考えるといい。

野帳ノートには些細なことやそのときはなんでもないと感じるようなことまでメモするといい。ただ、メモに全てを描ききれるわけではないので録音も活用する。

しんどくなっちゃうときや悩んだときには先生や友達に相談したり頼ることが大事。

・調査を終えてみて

行く前に悩んでいたよりは大丈夫で、意外と臨機応変に何とかなった。

大変だと思うけど、案ずるほど大変ではないしやってみるしかない!

もしもできなくなりそうになっても諦めずにがんばってほしい!