2023年度 修士論文発表会

2024年1月30日(火)、2023年度修士論文発表会がアカデミックリンクセンターまなびにて対面で開催されました。

平田政晴氏1名の発表が行われ、先生方からの質問に対し丁寧な応答がなされていました。

発表会終了後には和書室にて修論の完成を祝い、ささやかな会が開かれました。

発表題名は以下の通りでした。

修士論文発表

他者と関わる一つの方法としての「シェアリングエコノミー」

千葉大学文化人類学研究会 第2回拡大研究会

日時場所:2024年1月16日、10:30-12:00、アカデミックリンクセンター「まなび」

講演者:井濃内 歩(筑波大学大学院 人文社会科学研究科 国際日本研究専攻博士後期課程)

タイトル:現代日本における女子中学生の韓国語使用をめぐる言語人類学研究 

要旨:本発表では、現代日本の学校で顕著に広がる、女子中高生の日常会話への韓国語資源の取り込みという現象に着目し、その社会的意味と背景を探求する。まず、生徒たちの談話において韓国語が果たす相互行為機能を具体的なデータを見ながら分析し、韓国語が情報伝達よりも相手とことばを交わすこと自体を志向する、交感的なつながりを発動する資源となっていることを示す。次に、生徒たちのメタ語用的解釈の分析を通じ、言語能力が自他の差異化や競争と結びついた学校空間の中で、韓国語が能力性や規範性から解放され、互いの差異を不顕在にしたままことばを交わすことを可能にする資源として広がっていることを論じる。

研究会を終えて:第2回拡大研究会として、筑波大学から井濃内歩さんをお迎えしました。フィールドワークから得られた知見を丁寧に分析・説明してくださり、会話分析からは臨場感溢れる情景が目に浮かびました。わかりやすいスライドや口頭説明の発表手法からも大いに学ばさせていただきました。あっという間に時間が過ぎてしまい、まだまだ話が聞きたいというところではありましたが、盛況のうちに会を終えることができました。