小林 聡子

*小林聡子先生は大学院の授業担当です

●略歴

カリフォルニア大学サンタバーバラ校

●研究テーマ・研究対象

もともとは教育学、言語学を専攻していました。大学院の副専攻がきっかけで文化人類学に出会い、言語学を人類学的にアプローチをする研究をしています。

●文化人類学を研究するきっかけ

学部時代の言語学研究や教育学研究で、統計処理、質問用紙やテスト調査などが中心であったことが腑に落ちず、一般化から入るのではなく記述から論じるというエスノグラフィに興味を持ったのがそもそものきっかけです。そこから人類学という分野に興味が広がり、その手法や理論を学ぶようになりました。

●言語学を人類学的にアプローチすること

言語に対するアプローチは文法であったり言語獲得理論などが、文章やテストだけでは見えない人々の関係性や空間などの社会的文脈をフィールドワークを通して覗いていくことをしています。

●研究をする中で印象的だったこと

博士論文の研究でロサンゼルスの公立高校2年間フィールドリサーチを行ったことですね。アジア系の生徒を中心にしたエスノグラフィを行ったんですが、いくら流ちょうに現地の言葉が喋れたとしても、周囲からの「アジア人」ないし「日本人」という認識は消えない。自分が日本にいたときにはあまり自覚していなかった民族や人種のカテゴリがどのように相互行為の中で形成されているかというのを観察できたのがとても印象に残りました。

●言語人類学・教育人類学に興味がある人へおすすめの本

Alessandro Duranti、2009、『Linguistic Anthropology:A Reader』

J・L・オースティン、坂本百大訳、1978、『言語と行為』

Laurie Olsen、2008、『MADE IN AMERICA:Immigrant Students in Our Public Schools』

●人類学をこれから学びたい人へのメッセージ

言語は日常的に使うものですが、言語そのものを分析の対象としてぜひ見てみてください。多角的に言語を見ることによって、自分自身と様々なものに関連しているということに興味を持ってもらえればと思います。

●主な業績
http://chiba-u.academia.edu/satokoshaokobayashi

※学生によるインタビューに基づく記述