授業一覧

※2023年度開講科目

授業内容

文化人類学基礎(1年次必修)

概要:文化人類学の基礎的な概説を行なう。文化人類学講座の教員全員が順に担当し、文化人類学の研究領域、文化概念、研究方法などに関する講義を行う。

担当講師:小谷真吾、髙橋絵里香

開講区分:(4-5ターム)火曜1限

 

文化人類学調査概説a(2年次必修)

概要:文化人類学においてフィールド調査は単なる方法論という以上の実践的意味を持つ。この授業では、フィールド調査の方法としての特性を概念的に説明することから始め、手紙の書き方からインフォーマントチェックに至るまでのフィールドワークの実践的進め方を示していく。

担当講師:小谷真吾

開講区分:(1-2ターム)水曜2限

(↓文化人類学調査概説Aの授業の様子)

文化人類学調査概説B(2年次必修)

概要:文化人類学においてフィールド調査は重要な意味を持ち、長期のフィールド調査は文化人類学者のイニシエーションとも考えられている。この授業では、フィールド調査の方法としての特性を理解し、文化人類学的調査理論の基礎を身につけることを目的とする。 まずは、日本の学部レベルでの調査実習において、どのような研究対象が選ばれてきたのか、そこからどのような思考を広げていくことが可能なのか、『フィールドワークへの挑戦』を題材として考えていく。その上で、後半ではフィールドワーク後のデータ分析の方法を学んでいく。

担当講師:髙橋絵里香

教科書・参考書:エマーソン、フレッツ、ショウ、1998、『方法としてのフィールドノート』佐藤郁也・好井裕明・山田冨秋(訳)、新曜社。 菅原和孝、2006『フィールドワークへの挑戦』世界思想社。 日本文化人類学会(監修)、2011『フィールドワーカーズ・ハンドブック』世界思想社。

開講区分:(4-5ターム)火曜3限

 

文化人類学研究法a(2年次必修)

概要:文化人類学の各理論の特徴を把握しながら、その変遷と系譜を追う。現代の自社会にその理論をあてはめてみることで、批判と再評価を行いながら理解していく。

担当講師:髙橋絵里香

教科書・参考書:石井美保、中川理、松村圭一郎(編)、2019、『文化人類学の思考法』世界思想社。

開講区分:(1-2ターム)火曜4限

(↓文化人類学研究法Aの授業の様子)

 

文化人類学研究法B(2年次必修)

概要:この授業では、担当者による文献の発表と議論を通じて、世界各地の様々な事例を知り、人類学の基本的な考えと概念を学び、自身が当たり前だと感じている社会や文化についての概念や思考を相対化する。

担当講師:渡辺浩平

教科書・参考書:梅屋潔・シンジルト(編)『文化人類学のレッスン:フィールドからの出発』(新版、学陽書房、2017)

開講区分:(4-5ターム)月曜4限

 

文化人類学概説B

概要:文化人類学の古典として今も示唆に富む民族誌を講読し、文化人類学的思考とフィールドワークの奥深さを学ぶ。

教科書・文献:主要購読文献は下記を予定している。 ①原ひろ子 1989『ヘヤー・インディアンとその世界』平凡社。 ②スミス、ロバート・J. & ウィスウェル、エラ・L. 1987『須恵村の女たち』御茶の水書房。

担当講師:松前もゆる

開講区分:(1-2ターム)火曜3限

(↓文化人類学概説Bの授業の様子)

 

文化人類学演習a(3年次必修)

概要:この授業では、自らの問題意識から問いを発見し、研究テーマを設定し、先行研究のなかにそれらを位置づける作業を、対話・文献読解・ディスカッションによって行う。

担当講師:渡辺浩平

開講区分:(1-2ターム)月曜3限

 

文化人類学演習B(3年次必修)

概要:文化人類学専攻3年次学生を対象に、卒業論文のための研究計画作成を指導する。これまでの講義および演習で学んだ視点と知見を生かし、現代の多様な現象に対して文化人類学的な考察を行うための研究計画をたてる。

担当講師:小谷真吾

開講区分:(4-5ターム)木曜2限

 

文化人類学調査実習a,b(3年次必修)

概要:フィールドワークは文化人類学の重要な調査方法である。この授業では、担当教員の指導を受けながら、フィールドワークの計画、実施プロセスを学生自身が体験する。こうした準備活動に基づき夏季休暇中に1週間ほどのフィールドワークを実施する。

担当講師:小谷真吾

開講区分:(1-2ターム)水曜3-4限

(↓文化人類学調査実習A,Bの授業の様子)

文化人類学調査実習c,d(3年次必修)

概要:民族誌記述は文化人類学の調査報告の重要な方法である。この講義では、担当教員の指導を受けながら、文化人類学調査実習a,bで行ったフィールドワークのデータを整理し、民族誌を記述して、調査報告書を作成・出版する

担当講師:小谷真吾

開講区分:(4-5ターム)水曜3-4限

 

医療人類学a

概要:新型コロナウィルス感染症の世界的拡大は、人びとの健康をめぐるリスクや、実際に罹患するという経験が、個々人の身体的な在り様によって異なるという社会的分断の存在を露呈した。特に高齢者をめぐる社会の言説には、これまで潜在していた年齢差別が先鋭化していることが見て取れる。 そこで、この授業ではエイジングと老年についての私たちの理解について、再帰的に捉え直していく。具体的には、①エイジズム、②政治文化に埋め込まれた世代の構造、③排除と包摂をめぐる社会構造、という3つのトピックに関わる文献を横断的に読み、議論を深めていく。

担当講師:髙橋絵里香

教科書・文献:セール、ミッシェル、2021、『パラジット: 寄食者の論理』、及川馥・米山親能(訳)、法政大学出版局。 竹田ダニエル、2022、『世界と私のA to Z』、講談社。 辻内琢也・トム・ギル(編)、2022、『福島原発事故被災者:苦難と希望の人類学』明石書店。 田川玄、慶田勝彦、花渕馨也(編)、2016、『アフリカの老人』、九州大学出版会。 鶴見太郎、2016、『日常からの挑戦』、岩波書店。 床呂郁哉(編)、2021、『わざの人類学』、京都大学出版会。 浜田明範、西真如、近藤祉秋(編)、2021、 『新型コロナウィルス感染症と人類学:パンデミックとともに考える』、水声社。 ハラウェイ、ダナ、2017、「人新世、資本新世、植民新世、クトゥルー新世:類縁関係をつくる」、『現代思想』 高橋さきの(訳)、2017(12):99‐109。 フレイザー、ジェイムズ、1994、『金枝篇』、東京書籍。 ローザ、ハルトムート、2022、『加速する社会』、出口剛司(監訳)、福村出版。 山本七平、2018、『空気の研究』、文芸春秋社。

開講区分:(4-5ターム)火曜4限

 

生態人類学b

概要:生態人類学は、狭義の「生態学」的方法を用いた人類の多様性に関する研究、人間の生業活動に関する社会文化的研究、広義の「生態学」的問題意識に基づいた環境問題に関する研究など、幅広い内容を持つ学問である。「生態人類学b」では、日本における調査、研究を題材に講義を展開する。生業の多様性、環境問題、人口問題などの問題に関心をもつ学生を歓迎する。

担当講師:小谷真吾

教科書・参考書:秋道智弥(編) 「生態人類学を学ぶ人のために」 世界思想社 1995 E.F.Moran Human Adaptability ‐An Introduction to Ecological Anthropology- Westview Press, 2000

開講区分:(1-2ターム)金曜2限

(↓生態人類学Bの授業の様子)

 

生物人類学演習A

概要:人類学は、大きく文化人類学と自然人類学に分かれている。文化人類学を深く理解していくためには、もう一方の自然人類学の知識も不可欠である。本講義では、自然人類学の主な方法論について実践的に演習を行なっていく。具体的には、実際に狩猟採集活動に従事してもらい、その過程を記録することにより、労働生産性などを算出していく。

担当講師:小谷真吾

文献:大塚他(編) 『人類生態学』 東京大学出版会 2002年

開講区分:(4-5ターム)金曜2限

 

民族誌a

概要:この授業では、デヴィッド・グレーバーの『価値論』とジェームズ・スコットの『日々のアナキズム』を輪読していく。参加者は担当回についてコメントペーパーを作成し、ディスカッションを主導する。

担当講師:髙橋絵里香

教科書・参考書:グレーバー、デヴィッド、2022、『価値論ー人類学からの総合的視座の構築』、藤倉達郎(訳)、以文社。 スコット、ジェームズ・C.、2017、『実践 日々のアナキズム――世界に抗う土着の秩序の作り方』清水展・日下渉・中溝和弥(訳)、岩波書店。

開講区分:(1-2ターム)木曜2限

 

地域文化論b

概要:この授業では、ラテンアメリカの芸術表現・創作活動を焦点に、その活動と社会変容との相関を検討しながら、ラテンアメリカに生きる人々への理解を深める。  具体的には(1)20世紀(とくに後半の)ラテンアメリカを主眼とした混淆文化、(2)芸術表現・創作活動にあらわされる社会変化、(3)スペイン、アメリカ合衆国といった他の地域とのせめぎあい、といった側面を踏まえることで、ラテンアメリカの芸術表現・創作活動が、いかに社会や人々の変化を映し出してきたのかを理解する。  全内容は、およそ3部に分けられる。第1部では、ラテンアメリカの生活文化がいかに異種混淆的に成り立ってきたのかを、植民地化や移民の歴史と創作活動の関わりを検討しながら概観する。第2部では、具体的にブラジル、アルゼンチン、ベネズエラ、メキシコ、キューバの実践を取り上げ、芸術活動と社会変容との相関を具体的に検討する。第3部では、主にアメリカ合衆国やスペインとの関係に注目し、他の地域とラテンアメリカのせめぎあいについて探究する。  なお、第3回以降の授業は、グループ発表+講義(討論を含む)の組み合わせで進行する。

担当講師:田中理恵子

参考書:清水透『ラテンアメリカ五〇〇年』 岩波現代文庫(2017年)

開講区分:(1-2ターム)火曜5限

 

開発人類学

概要:本講義では、開発と人類学のかかわりについて、実践、理論、民族誌的な記述の方法といったさまざまな観点から探求する。人類学を開発援助に役立てようとする際の問題点や可能性を整理し、開発を人類学的な研究対象とする際にとりうるアプローチについて検討する。さらに、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ等のさまざまな地域における、開発をめぐる事象についての事例を紹介し、かかる人類学的視点から考察を試みる。授業全体を通して、地域社会が抱える問題群やグローバル・イシューの解決を目指す開発の介入、支援、そこでの対話のプロセスを、人類学の視点から考える。

担当講師:吉村竜

開講区分:(4-5ターム)月曜3限

 

経済人類学

概要:文化人類学の下位分野である経済人類学は、経済システムの驚くべき多様性を、世界中の事例の分析を通して示してきました。この授業では、文献講読を通して、「贈与」や「互酬性」、「再分配」、「負債」などをキーワードに多元的な経済のあり方への理解を深め、あらゆる財やサービスが市場で売買される経済を相対化する視点を学びます。

担当講師:生駒美樹

開講区分:前期集中

 

人文科学専門英語(文化人類学)

概要:This course will discuss world cultures. Students will read short articles each week. The articles will be from ethnographies. Ethnographies are in depth accounts of a society. Students will conduct field projects and learn about culture. Class activities will include pair work, group discussion, group activities, some lecture, films, individual and group projects, and other interactive activities. Because anthropology is a broad field, after the first few classes, students can select topics for a few classes. Students can choose their project topic. Homework for each class will be a reading assignment and to write a reflective journal discussing what you have learned and evaluating the reading and class activities. Class time will mostly be student interaction and some teacher lecture.

担当講師:WICKENS MATTHEW H.

開講区分:(1-2ターム)金曜5限

 

卒業論文特別演習(4年次必修)

概要:卒業論文執筆のための指導を行う。

担当講師:小谷真吾、髙橋絵里香

開講区分:通年